前田道路が臨時配当を表明

みなさんこんにちは、グレアム投資ガチ勢(@gold_man_blonze)です。ゲームばかりしていますが投資家です。

前田建設工業からTOBを受けている前田道路が、公開買付期間中に臨時配当を行うことを表明(いわゆるクラウンジュエル)し、株価は前日比8%下落しました。

私は 期待利回りの低さから前田道路の購入を見送ったのですが、もし購入していれば大損しているところでした。

今回は、前田道路が臨時配当を行うに至った経緯と私が考えていたことを記事にします。ケーススタディとして役に立てれば幸いです。

前田建設工業がTOBを発表

前田建設工業が1/20に前田道路に対するTOBを3950円で発表し、翌21日に前田道路株は3835円で寄り付きました。(参考)

TOBが成立した場合の期待利回りは2.9%。締日が3/4であることから、ざっくり年利20%は取れる計算になります。(すべてうまくいった場合ですが。。。)

前田道路がTOB反対表明

続いて1/24の引け後に前田道路が反対表明を出します。(参考)

翌27日の終値は3650円。うまくいった場合の年利は64%。そそりますね。ちなみにTOBが失敗し、TOB表明前の価格に戻った場合の年利は-224%となります。

リスクアービトラージとしての期待値を考える

M&A時の公募価格と市場価格の差を利用して儲ける手法をリスクアービトラージといいます。(最近知りました)今回のケースでリスクアービトラージを行った場合の期待値を考えます。

まずは、TOBの成功確率と失敗確率を見積もります。正確な見積もりはもちろん不可能ですがやらないわけにはいきません。損したくないですし。

前田建設工業は、前田道路株の24.68%を所有する筆頭株主です。同社は前田道路株の51%の所有を目標としているため、買付額の上限は26.32%と設定しています。なお、下限は設定していません。

期待値計算

前田道路株のうち、確実にTOBに応募しないといえる株主(パッシブ型投資信託・前田建設・前田道路)を差し引いた66%全員がTOBに応募した場合、約40%の確率でTOB価格で買い取られます。買い取られなかった60%がTOB前の2633円に戻ると仮定すると、期待値は-490円です。

辛めの見積もりですが、このTOBの行く末が全く見えていない私にとっては妥当ではないでしょうか。この時点で私は前田道路株の購入を見送りました。

実際に起きたこと

冒頭でも書いた通り、実際は前田道路が純資産の20%に相当する金額を配当に回しました。(参考)これを受け、株価は大幅に下落し、20日には3400円となりました。

結果的に、リスクアービトラージを実施していた場合、大損していました。(見送ってよかった)

前田建設のTOB条件に、以下文言があったため、何としてもTOBを回避したい前田道路が涙ながらに配当を増やした姿が目に浮かびます。

前田道路が単独純資産の10%に相当する額(約203億)を上回る額の配当を実施する場合、TOBの撤回等を行うことがある

日経新聞によると、前田道路は2月中旬にホワイトナイトになってもらう交渉をしていたものの破談してしまい、今回の臨時配当に至ったようです。(参考)

前田建設がなぜTOBを実施したのか

以下3条件によるものと推測します。

① 前田建設の業績見通しが悪い。

前田建設は、過去13年間に何度か赤字を計上しており、FCFもマイナスが目立ちます。

前田建設キャッシュフロー計算書 IRBankより

② 前田道路の業績見通し&財務状態が良い。

対する前田道路は、FCFがほぼ毎年黒字であり、業績が安定しています。

前田道路キャッシュフロー計算書IRBankより

また、キャッシュも2019年度末時点で722億円と豊富で増加傾向にあります。今回特別配当を行ったのは、今後もキャッシュを積み上げ続けられるという経営陣の自信があるためではないでしょうか。

③ 前田道路が比較的割安だった。

前田道路のper/pbrはそれぞれ11.6/1.03です。特別割安というわけではありませんが、TOBで50%のプレミアムをつけても18/1.5と時間がたてば十分に費用を上回る利益を出せそうに見えます。

また、前田建設はすでに前田道路株の23%を持つ大株主であることから、簡単に購入できたのも大きなポイントだと思われます。

前田道路がなぜホワイトナイトを得られなかったのか

私は前田道路のTOB価格からさらにプレミアムを載せた価格で買いたいかといわれるとあえて買いたいとは思えません。定量的により割安な株は山ほどあります。

また、ホワイトナイトがいたとして、前田建設と異なり前田道路の株を大量保有していないため、前田建設以上のインセンティブを持つことはないでしょう。

今後に向けて

今回、私は前田道路株の購入を見送りましたが、今後似た案件でより期待値の高い投資が見つかるかもしれません。前田道路を詳細に見た結果、TOBの関係企業に関するファンダメンタルズ分析も有効であるように見えるので、今後とも分析をしていきたいです。

投稿者: グレアム投資ガチ勢

バリュー・長期投資家。 長期投資があまりにも暇なためブログを開設。 Follow @gold_man_blonze

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