トルコリラ円全力ショート体験記

私は、めったにFXをやらないのですが、ファンダメンタル的にもテクニカル的にもすべての指標がトルコリラ円の下落を示していたので、トルコリラ円をショート(≒売る)してみました。これはその体験記です。また、本資料で書く内容は、特筆ない限りは2018年8月時点の情報です。

ファンダメンタル整理

米国債の金利が上昇しています。FRBは2018年に3回利上げを行い、2008年以来5回目の利上げを行いました。また、米国経済は好調そのもので陰りの兆しもないことからFRBは今後も利上げを継続したいと考えており、将来的にも米国債の金利が上昇していくと考えることが自然です。

トルコなど新興国は、米ドル建てでお金を借りています。米ドル建てなのは、価値が上下しやすい新興国通貨(トルコリラ)でお金を貸すと、貸した側が損をする可能性が高いためです。
米ドル建てでお金を借りている新興国は、お金を返す際も米ドルで返す必要があり、米国債の金利上昇は、返済額の上昇につながります。そのため、米国債の金利上昇は、米ドル高と新興国通貨(トルコリラ)安の圧力になります。

また、日銀も7月30日,31日に行った金融政策決定会合で、日本国債の長期金利を0.1%から0.2%に拡大することを容認しました。米国債の金利上昇が米ドル高につながるのと同じように、日本国債の金利上昇も、円高を招きます。日銀も政府もこれまで円安になるような手を打ってきましたが、逆に打ちすぎてこれ以上円安に持っていける材料がないと私は考えており、円高になる可能性は高いとみています。

加えて、トルコ経済も足元はよろしくありません。18年4月時点のトルコのインフレ率は10%を超えています。 (LINK) また、トルコの外貨準備高は今年返済予定の債務を下回っており、デフォルトを起こす可能性も否定できません。(LINK)
新興国では、米ドル高(つまりは新興国通貨安)になったときは利上げを行い、新興国通貨高に持っていくことがセオリーです。しかし、トルコのエルドアン大統領は、高金利政策に反対し、むしろ低金利政策を維持したい考えです。(LINK)
当然、低金利政策を維持すると新興国通貨は安くなります。

以上のことから、ファンダメンタル面では、先進国通貨はあがり、トルコリラは下がると考えられます。

テクニカル整理

まずはトルコリラ円の月足チャートを見てください。

トルコリラ円月足チャート(2009年初~2018年中)

一貫して下げていますね。移動平均線も下回っているため、テクニカル的には今後も下げるでしょう。

次に、トルコリラ円の日足チャートを見てください。

トルコリラ円日足チャート

8月中旬までのチャートが見えますが、投資を決意したのは8月7日です。8月7日時点でもトルコリラは大きく下げていることがわかります。私は、このモメンタムが続くと考えました。

以上のことから、ファンダメンタル面でもテクニカル面でもトルコリラは大きく下げるのではないかと考え、私は、トルコリラ円をショートすることにしました。

トルコリラ円ショート

8月7日にトルコリラ円を2枚(1枚=1万通貨)20.741S(ショート)しました。逆指値は、23.000。
この時点で、私は長期的にはトルコのデフォルトを考えています。2枚しかショートしていないのは、スワップポイント(支払う金利)が1枚当たり100円/日と重く、私の考え通りにトルコリラ円が下落したとしても利益になるかわからなかったためです。
投資後に、トルコリラ急落のニュースが流れ、決断が遅すぎたのではないかと不安になりました。アノマリーですが、ニュースで流れたときが底ともいわれるからです。

8月9日にトルコリラ円が大きく下落したため、追加で18枚20.550Sしました。逆指値は22.000。

トルコリラ円日足チャート
画像白丸が8月9日

これで、FXで投資可能な資産を全力でトルコリラ円に振り向けたことになりました。FXでは通常レバレッジを25倍までかけられますが、1倍という低い水準にとどめています。この時点で、トルコリラ円の暴落が、世界中の株式市場に影響を与えており、トルコに何らかの救済措置(≒トルコリラ高)が入ることを恐れたためです。

8月11日、土曜日ですが、為替市場が閉まる前に追加で2枚17.063Sしました。トルコリラ円が予想通り大きく下落し、精神的な余裕ができたためです。これで平均20.000Sとなり、逆指値を19.000に指定しました。

8月11日,12日は休日です。何事もないかと思いきやアメリカが、米国人牧師を解放しないトルコへの関税を倍にするというニュースが流れます。内心、小躍りしていました。

8月13日月曜日、トルコリラ円は15円台と先週末の17円から大きく下げて始まりました。その後のトルコリラ円は上げていき、テクニカル的には窓を埋めに行っています。私は、トルコのデフォルトを想定しており、逆指値を17.500に変更しました。

8月17日、逆指値17.500にひっかかりました。結局、8月13日から8月17日までトルコリラ円はずっと上げていたため、大きく窓を開けたタイミングで利確すべきだったようです。

振り返り

結果的に、FX投資資産の10%強の収益をあげることができました。また、仮にどこかの局面で逆指値にひっかかったとしても私の損失はFX投資資産の13%、総資産の2%に抑えることができており、リスク管理もうまくいったのではないかと考えています。

反面、実は2018年始からトルコリラ円Sを考えていたにもかかわらず、実際の投資は8月7日と遅かったことは大きな反省点でした。これは、マイナスのスワップポイントの大きさ(1枚あたり100円/日)を恐れたためで、次に大きなチャンスを見つけたときは、スワップポイントを無視したトレードを行いたいと考えています。

また、大きく窓を開けた場合も利確すべきという点も大きな学びでした。結局投資期間中に15円台をつけてから、2019年1月までトルコリラ円が15円台になったことはありませんでした。大きく窓を開けた瞬間が、絶好の利確タイミングだったのです。

記事のはじめのほうにも書いた通り、私はあまりFXを行いませんが、次に大きなチャンスを見つけたときは、今回の教訓を活かして更に利益をとれるトレードをしていきたいと思います。

投稿者: グレアム投資ガチ勢

バリュー・長期投資家。 長期投資があまりにも暇なためブログを開設。 Follow @gold_man_blonze

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