ベンフォードの法則を使って粉飾決算を見破れるのか?

皆さんは、定量的に粉飾決算を見破れると評判のベンフォードの法則というものをご存じでしょうか。ちなみに私は昨日知りました。

ベンフォードの法則(ベンフォードのほうそく、Benford’s law)とは、自然界に出てくる多くの(全てのではない)数値の最初の桁の分布が、一様ではなく、ある特定の分布になっている、という法則である。

Wikipedia

ベンフォードの法則によると、頭の数字が1となる確率は約30%、2の確率は約17.6%、3の確率は約12.5%….と頭の数字が大きくなるにつれて出現する確率は小さくなります。私はどれも同じくらい出るものと思っていたのですがどうやら違うようです。

ベンフォード曲線 理想値
頭の数字が1に近づくほど出現率が高く、9に近づくほど低くなる。

ベンフォードの法則が有効になるのは、”自然界”の数字に対してであり、”作為的”な数字には有効ではありません。粉飾決算をするなど作為的に数字を作った場合、ベンフォードの法則に当てはまらない確率で数字がでてくるため、粉飾決算が見破れるという仕組みだそうです。

さて、本当に見破れるのでしょうか。手元にサンプルがあったのでいっちょ調べてみました。というのが今回の記事です。

2055 日和産業

日和産業の例を調べてみましょう。まずは、2008年~2019年の有価証券報告書のBS/PLの各科目から頭の数字を抜き取ります。抜き取った科目は”現金及び預金”から始まり計36。これが12年分なので、総計432個の数字を抜き取りました。その出現率は以下の通りです。

ベンフォード曲線 日和産業 12年分

正直半信半疑でしたが本当に理想値に近い確率で数字が出てきていますね。ちょっと感動しました。

同じように1年分のデータ(計36個)も見てみます。これは、データが少なくても機能するか気になったため調べました。

ベンフォード曲線 日和産業 1年分

これも十分機能しているように見えますね。

ちなみに日和産業を取り上げた理由ですが、たまたま見ていたのが日和産業だっただけで他意はありません。

9787 イオンディライト

続いて、不正会計処理が行われた決算書を見ていきます。イオンディライトの連結子会社であるカジタクが2014~2019年2月期にかけて不正会計処理を行っていました。今回は、間をとって2016~2017年の連結決算資料からBS/PLの頭の数字を見ていきます。データは84個でした。

ベンフォード曲線 イオンディライト2年分(不正会計処理有)

日和産業と比べて理想値との乖離があることがわかります。特に、1~3の登場回数がほぼ横並びであり、違和感を覚えますね。どうやら2年分の連結決算資料からでも粉飾決算を見破れそうです。

また、”企業に眠る宝の山”発掘プロジェクト様によると、BSのみでも十分効果を発揮するそうです。(何年分を分析したかは公表していませんでしたが、データ数140とのことなので4,5年分は見られてそうです)

まとめ

試してみる前は、ベンフォード曲線を使ったとしてもBS/PLのみではデータが少なすぎて粉飾決算を見抜けないと思っていましたが、どうやら1,2年分のBS/PLのみでも見抜けそうです。検査自体も簡単なので今後の財務分析に使っていきたいと感じました。ただ、粉飾している会社がベンフォード曲線について知っているだけで検査を通すことができるので、過信せず分析手法の一つとして使っていきたいと思います。

投稿者: グレアム投資ガチ勢

バリュー・長期投資家。 長期投資があまりにも暇なためブログを開設。 Follow @gold_man_blonze

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