会社四季報は本当に投資家のバイブルか?

会社四季報

会社四季報とは

株式投資を行っている人で東洋新聞経済社の会社四季報を知らない人はいないでしょう。会社四季報は、全上場企業の財務等の企業データをこれでもかと詰め込んだ2000ページにも及ぶ本で、その名の通り四半期毎に刊行されています。

全企業分 の投資家向け情報を網羅的かつ一定のフレームに収めて一覧化している媒体は、会社四季報を置いてほかにはありません。そのため会社四季報は、投資家のバイブルと呼ばれています。

記事を書いている私も株式投資(アクティブ投資)をはじめたばかりの頃にまず教わったのが、会社四季報を買うこと、そして会社四季報の読みこなし方でした。会社四季報は、投資家向け情報を一定のフレームに収めているため、自分なりの基準でスクリーニングをかけやすいのが利点です。そのため、紙の本では2000ページという分厚さながら、一週間あれば自分好みのユニバース(銘柄組み入れ候補)を構築できます。

投資判断における四季報の役割

投資判断で四季報を使うメリットは、網羅的にユニバースを作れることだと考えています。

本格的に株式投資をはじめたばかりの頃は、会社四季報を通読することで全上場企業のなかからユニバースを作り、ユニバースに入った企業の有価証券報告書を見て財務を確認し、さらに商品・サービスを見てこれから先も株価が伸びそうだと思えたら(当時はグロース株投資家でした)投資するというプロセスを踏んでいました。

会社四季報を使った投資対象選定の概念図 いの一番に会社四季報の通読をしていた

会社四季報を通読することを覚える前は、まずこれから伸びそうなセクターを思い浮かべてインターネットで検索し、そこから割安と思われる銘柄に投資していました。この方法では網羅的に見られないため、たくさんの取りこぼしができてしまいます。当時は、そもそも取りこぼしがあったこと自体に気づいていませんでした。

株式投資にのめりこむ

それから私は株式投資にのめりこみます。自由に使える時間のほとんどを株式投資のことを考えて過ごしていました。バリュー投資を覚え、やる気に満ち溢れていた私は、全ての企業に対して有価証券報告書 (つまり全企業にStep2を実施) を見ることを決意します。バリュー投資家にとって有価証券報告書の読み込みは必須です。有価証券報告書はごまかしや隠ぺいがありふれており、有価証券報告書の良し悪しをわかるようになるには、ひたすら読み込む以外に道はないと考えたからです。

読み込むにあたって自前のツールを作って財務諸表や損益計算書の5年分の推移まで見られるようにしました。おかげで字面で見るよりはずっと楽に有価証券報告書を読み込めましたが、それでも全部見るのに一年以上かかりました。ただ、得られたものはかなり大きなものだったと考えています。読み込む過程で、ほぼすべての資産バリュー株(私のユニバースです)を見出せました。上昇/下落した企業の長期的な財務状態がわかるようになり、TATERUやRIZAP等、大きく下落した銘柄の分析をすぐにできるようになりました。これらは、決して会社四季報に載っている情報だけでは成しえることはできません。会社四季報には、そして星の数ほどあるスクリーニングツールには、勘定科目まで詳細化した分析は記載されていないからです。

会社四季報に疑問を持つ

有価証券報告書は金融庁が5年分を無料で公開しています。有価証券報告書を読み解くには時間がかかりますが、私が投資情報としてほしい情報の大半を網羅しています。対して会社四季報は読み込むのは簡単ですが、有価証券報告書に比べるとやはり情報は限られてしまします。

また、私はすでに有価証券報告書から自分が欲しい情報だけを抽出したツールを使って、ユニバースを構築しています。そうした状況で会社四季報を読んで新たに得られる情報って実はそう多くありません。財務は収益に比べてあまり変化しませんし、新たに財務を見る場合は、会社四季報には書かれておらず有価証券報告書に書かれた情報を確認する必要があるからです。現に私がいま会社四季報を開くのをやめて投資しまっていますが、不都合は感じていません。

会社四季報が有用ではない人もいる

株式投資のアプローチは星の数ほどあります。私のような定量的アプローチや、テクニカル分析を主体として投資する人は、たぶん会社四季報を使うよりは信頼できるスクリーニングツールを使ってユニバースを構築したほうが手っ取り早くて安く済むのではないかと思います。

会社四季報はバイブルというほどのものでもないんじゃないか?という視点で書いた記事なので会社四季報を下げることばかり書いてしまいましたが、会社四季報は業績の伸びや株価チャート、企業概要等を見てスクリーニングする際には信頼できる最も有用な情報源でいると考えています。ただ、私のスクリーニング方法と相性が悪かっただけなのです。

投稿者: グレアム投資ガチ勢

バリュー・長期投資家。 長期投資があまりにも暇なためブログを開設。 Follow @gold_man_blonze

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です